箔押とは
箔押(はくおし)は別名ホットスタンプとも言われ、図のように熱と圧で、フィルムにコーティングされた色彩を素材に熱圧着する方法です。(このフィルムが箔です)
箔押の最大の特徴は、一般の印刷と違い、メタリック感(金属光沢)を素材に表現できる事と、溶剤等を使わないドライメソッドのメリットがある事です。
その用途はパッケージ、製本、文具、カードや電器製品。そのほかお酒のラベル、Tシャツの模様、食品の「賞味期限」の数字まで。世の中を見渡すと「ここにもか」というぐらい使われています。
箔の構造
メタリックホイルの構造図
ベースフィルム
ポリエステル(PET)の12マイクロメートル16マイクロメートル厚のものが多く使用されます。
2~5キャリーするための基材となります。
離型層
3~5の各層をベースフィルムから離れやすくするためにある層で、箔押時の熱により活性化する極めて薄い層です。
着色層
着色層は色を表現します。
ゴールド色の場合は黄色のコーティングを施します。
第3工程の蒸着層はシルバーメタリック色ですから、この黄色コーティングと重なりあってゴールド色に見えるわけです。
この着色層の強さが、箔押後の性質(耐摩耗、耐熱など)を決定します。
蒸着層
真空蒸着機を用いて作ります。
真空蒸着機は高真空機の中に巻取装置、金属溶解ルツボ、熱源を備えており、0.0001~0.0005m/m水銀柱(真空の単位:大気圧760m/m水銀柱)という高真空の中でアルミニウムを溶解し蒸発させ1~3までのフィルムの上にアルミニウムを付着させます。
高真空中ではアルミニウムは分子状で飛んでフィルムの上に薄い膜を均一に作ります。
膜の厚さは、0.03~0.05マイクロメートル(300~500オングストローム)といわれています。
この蒸着層がメタリック感を表現します。
接着層
蒸着層の下に接着剤を塗布します。
接着剤は被転写物によって選びます。
紙には紙に良くつく接着剤、プラスチックにはその樹脂に良くつく接着剤という様に、また表面加工の状態によっても接着剤の種類はかわります。
接着剤は熱と圧力によって被転写物に接着します。
接着剤の種類によって使用する際の温度と圧力を変えるのは、その接着剤のもつ性質に適した温度と圧力を選ぶためです。